読書感想文 9冊目

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『ババヤガの夜』  著 大谷 晶

「喧嘩に礼儀も作法もないですから。ぶん殴って、倒すだけ」

『ババヤガの夜』 著 大谷 晶 出版元 河出書房新社

暴力の中で生きる女二人

 ババヤガというのはスラヴ民話に登場する魔女で、子供を食べてしまう恐ろしい側面を持つ一方でお話の主人公を助ける。といった違う属性を併せ持つ不思議な魔女。
 主人公の依子は育ての親である婆にこの恐ろしい魔女の話を沢山きかされ、いつしか自分も魔女になることを意識の底にひそめて暮らしていました。

 物語の冒頭から最後までひたすら暴力尽くし。街でチンピラにからまれた依子はそのまま連行され、や〇ざの一人娘であるもう一人の主人公・尚子の付き人を命じられます。
 住む世界が違う二人ではありましたが、どちらもーー暴力ーーという唯一の共通点で交わり。己が身に宿る圧倒的な暴力的センスを持つ依子に、完全なる暴力がのさばる環境の中で一人気高く生きている尚子。互いに反発しながらも、惹かれ合う二人の関係性が本作の大きな見どころであると言えます。

 

あっという間に読み終わり

 すらすら読める文体であることもそうですが、一度読み始めたらノンストップで駆け抜けてしまえる疾走感が満載のお話。あつあつの話に、最後はしんみりとさせるラスト。依子と尚子の二人の人生を皆様も覗いてみたらいかがでしょうか。それでは、また。

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