大人の読書感想文 3冊目

『麦本三歩の好きなもの』 著 住野よる

※ネタバレは含みません。安心してご覧下さい

 今回は日常系の小説のお話です。表題に含まれている麦本三歩という女性が毎日を過ごしていくなかで、彼女が好きだな、素敵だなと感じる人や物に対するエピソードが綴られいます。

 この小説の著者である住野よるさんは、代表作に『君の膵臓をたべたい』が挙げられます。住野よるさんの小説は今回の本が初めてで、主人公である麦本三歩の内面が、ポップでキュートな感じで書かれており、麦本三歩自身が書いたかのようにお話が出来上がっています(何言ってるか、よくわからないですね 笑)

 お話は短編が続いていく形になっています。職場の人、友人たちとの交流が主に描かれています。基本的には三歩の独特の人柄によって楽しく笑えて、ちょっと心が温まるお話が大部分ですが、中にはちょっと悲しいお話なんかもあり、それに対する三歩の向き合い方なんかはすごく大人に見えたりもして、面白い部分だと思いました。

 話の中で三歩自身がもやもやする気持ちを抱く瞬間がでてきます。例えば、非常に失礼な振る舞いをされた時にそれを指摘できない自分。仕事をさぼってしまったのを同僚に目撃されてしまった時。など、実際に現実世界でよく起こり得る状況が本の中でも、起こります。(ちなみに、私も同じような経験あります笑)
 作中ではそんな三歩のことを周りの人間が助けてくれたり、時には厳しく教えを説くことで三歩なりの正解を模索していくことに。
 この小説に登場する人は人柄が良い。各々の癖? みたいなものはありますけど、それぞれが人間的に尊敬できる部分を持ち合わせている気がします。なので、『麦本三歩の好きなもの』は

気持ちが温かくなる小説です。

 現代人はいろんなところでストレスを溜めがちになっています。学校、職場、SNSなど良くも悪くも一日中なんらかの情報を受けとってしまう中で、自分でも気づかない内にストレスを溜めているのではないでしょうか。
 そんな方に今回紹介した本を読んでいただき、少しほっとしてもらえれば穏やかに気持ちになってもらえたら嬉しいです。

 おわり

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